【子どもコンテンツ心理学-1】コンテンツによる癒しと悲しみや畏れから生まれる活力

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 2月20日(日)、日本アニメーション学会の主催によるシンポジウム「アニメーションと被災地の記憶―映画『岬のマヨイガ』をめぐるアニメーション、ツーリズム、フォークロアの可能性」を聴講させていただきました。

 アニメコンテンツで被災地を応援するフジテレビの「ずっとおうえんプロジェクト。2011+10…」の総括プロデューサーの高瀬さんと『岬のマヨイガ』の場所のモデルとなった岩手県大槌町の観光交流協会の平賀さんと産業振興課の安藤さんによる活動紹介と、敬和学園大学松本先生による「アニメ舞台探訪とダークツーリズム」、人類学者(秋田公立美術大学)石倉先生の「時を超える記憶と物語の再生」という2つのレクチャー、そして、最後にアニメ評論家の藤津亮太さんも加わり、横浜国立大学の須川亜紀子先生の司会でパネルディスカッションも行われました。

 アニメツーリズムは、『らき☆すた』や『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』などで話題になり、その後のインバウンドの盛り上がりなどもあって今はすっかり定着した感もありますが、今回の松本先生のお話で”ダークツーリズム”ということばやコンテンツで悲しみを共有するということを知りましたし、石倉先生の、コンテンツを通じた被災体験の共有から復興につながるコミュニティが生まれていくという社会モデルも大変参考になるものでした。

 『岬のマヨイガ』という作品自体についても、主人公の少女の成長物語のイメージが復興への前向きなイメージと重なり関心や支援を後押しするだろうと感じました。また、災害をイメージするシーンの表現についても、それ自体が子どもたちの恐怖やトラウマを生まないように何度も深く慎重な議論を重ねながら製作されたギリギリのリアルな表現によって、科学や論理では割り切れない被災の悲しみや恐怖とそこからの回復までを、妖怪やふしぎ現象などを通じて間接的に擬似体験させることで、逆にセラピー的な効果も生まれているのではないかと思いました。

#岬のマヨイガシンポ